【日本の木でつくる古くて豊かなイギリスの家】イエローチェアハウス

“コンサバトリーとサンルーム:暮らしに潤いを与える異なる空間の魅力”

サンルームとよく比較されるコンサバトリー。一体、その違いは何でしょうか?

僕の見解では、コンサバトリーは楽しい生活のスペースであり、サンルームは洗濯物を干すスペースといった認識です。以前、イギリスのカントリーを巡っていた際には、生活に根ざした素敵なコンサバトリーを何軒も見てきました。

イギリス片田舎のコンサバトリー

今回は、その解説と、国の違いによる必要な工事手法についてもお伝えしたいと思います。

僕がイギリスの生活に憧れたのは、父の工務店を継いだ頃、つまり2000年前後です。 バブル崩壊から10年が経ち、社会ではバブルの余韻が完全に消えた時期でした。失われた30年のスタートとも言える時代で、僕は苦しい状況を感じ始めていました。当時のイエローチェアハウスは和風寄りの工務店でしたが、家を持ちたい家族は和風住宅よりも手頃な文化住宅を望んでいました。既製品建材も増え、既製品を使った家が現代的な家として主流になりつつありました。

僕は大工による匠の家、縁側や土間の生活、素材を厳選した和室のしつらいなどに魅了されていたが、そのような要望を持つユーザーは減っていきました。そのため、既製品に囲まれた遊びのない家を提供せざるを得ませんでした。そんな時に出会ったのが、井形慶子著の「古くて豊かなイギリスの家、便利で貧しい日本の家」でした。この本は僕の人生を変えたベスト3に常にランクされるほどのものです。

イギリスのコンサバトリーが今でも生活のエッセンスであり、日本が捨て去った縁側や土間、床間といった遊びの空間がそこに凝縮されていることに気づきました。

素敵なコンサバトリーでティータイム

日本とイギリスの生活を重ね合わせることで、僕たちに必要な空間はコンサバトリー以外にないと思いました。そして、コンサバトリーを提案しようと思ったのですが、ただガラスの部屋を作るだけではサンルームにしかならないことも知りました。

現在は、ほぼ確信に近いコンサバトリーのレシピを持っています。日本で作るコンサバトリーは、ある程度新築ほどの断熱性や気密性が必要です。例えば、増築で掃き出し窓を撤去してリビングを開放する場合は特に重要です。工事中の写真を添付していますので、ご確認いただければと思います。

全体を気密シートで覆う

断熱性と気密性を兼ね備える工事が望ましい理由は、日本が四季がはっきりしており、気温や湿度、空気質の違いが激しいためです。掃き出し窓を残して作っても、ある程度の断熱を行わないと夏は高温、冬は厳寒な空間になり、暮らしの場としては不適切になります。

条件に合わせて工事を行えば、真冬でも快適に過ごせるコンサバトリーが完成します。うちのココアもその空間でリラックスしています。家の主人よりも快適な生活を楽しんでいるようです。

コンサバトリーはリビングが手狭に感じる家族やペットとの共生、室内とガーデンをつなぐ空間として、暮らしの潤滑油としておすすめです。

コッツウォルズ風の家にコンサバトリーも再現
室内はセカンドダイニングとして
特徴的なコンサバトリー
今ではウサギさんとの生活を楽しんでる
裏庭に作りました
奥さまのスペースであり洗濯も干します

現在のタイミングでは、先進的窓リノベ2024支援事業が利用できるのでお得に作れます。

「先進的窓リノベ2024支援事業」のコラム を参考にしてください。

知識の共有がお役に立てたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

イエローチェア・ハウス
(株)住建社長
自称、素朴で豊かな暮らしを応援する家づくりマスター。手作りと国 産材、そしてイギリスのスタイルにこだわる地域密着のハウスビルダー 「イエローチェア・ハウス」というブランドを展開する株式会社 住建の
代表として、家族が幸せに暮らせる家づくりに挑み続けている。

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