イギリスから学ぶ豊かな庭づくり
イギリス人にとって、庭の役割 は様々。庭の一角にコンポストと いう家から出た生ごみを堆肥に する樽のような入れ物を置く場 所を作ったり、キャンパスに絵を 描くように様々なオブジェなど を置いて、独自の個性を出した庭 にする人もいたり、日常生活には なくてはならないスペースです。
ロンドンで多く見かけるテラスドハウスといった狭小地でさえ、通りや隣家から、直接見えないような、見えにくいような工夫がなされています。 樹木や花の配置を考慮し、オプ ジェを効果的に配置したり、板塀 をめぐらすなど周囲に気兼ねす ることなく生活を楽しむことが できるように、プライバシーを確 保できる提案を心がけています。 例えば、パックヤードは、食事を したり、紅茶を楽しむだけではな く、リビングの延長のようなプラ イベートな空間ですから、お隣さんから目隠しになる塀の素材や 樹木の種類などもしっかり相談しておきたいですね
イギリスでは、雑草があるか らといって少しでも除草剤を散 布したりすれば、隣人から強い反 発を受けるケースもあります。で すから、イギリス人の多くは、常 に環境にやさしい工夫をしてい ます。また、その住むエリア全体と の調和も素敵な庭づくりには必 要。
「イギリス式のフロントガーデ ンとバックヤードを設ける場合、 周囲の建物や日照の関係などから建物のレイアウトに制約が大 きい場合があります。特にフロン トガーデンは、通行人がその前を 通る時、心を休められる緑地のよ うなパブリックスペースとして、 街並みと調和しながらも個性を 失わない空間を作ることを心が けています」
イギリスのお宅ではリビングに通された後、必ずと いっていい程、庭に案内されます。 そこには彼らのお気に入りの一 角があり、限られたスペースの中 に、家族が大切な時間を過ごすた めのベンチや、子供たちの隠れ家 「Wendy house」などを置いてお とぎの国のような世界になって いる家もあります。私たちも庭を もっと上手に使いこなすことが できれば、家で過ごす時間がさら に楽しく、心豊かなものになるでしょう。
「まずベーシックなご提案をさ せていただき、「家庭菜園がしたい」、「のんびり日光浴がしたい」、 「バーベキューが好き」などのご 要望を伺いながらプランを詰め ていきます。家は、建てた後のメ ンテナンスがどうしても必要に なります。手間がかからず、お金 がかからない、管理しやすい工夫 が必要です」